【食事を変えるだけで】母を糖尿病から救った話
- 2020.10.16
- コラム

こんにちは、Y’S TRUSTの住谷です。
今回は【食事を変えるだけで母を糖尿病から救った話】を書いていきます。
この記事では糖尿病になる可能性がある方に向けて、私の母が糖尿病の改善に行った食事法をご紹介しています。
この記事を読むと、
✔ 糖尿病の予防や血糖値の改善ができる食事法がわかる
✔ なぜその食事法が糖尿病の予防や血糖値の改善に効果的かわかる
✔ 具体的に何を食べたらいいのかわかるのですぐ実施できる
これから紹介する食事法は実際に糖尿病まであと一歩と診断された母が血糖値、血圧が正常値まで下がり、体重も約12kg落とした食事法です。
現在、ご自身や家族の方が糖尿病の可能性があり、食事を改善したいと考えている方に参考になれば嬉しいです。
それでは最後まで宜しくお願いします。
現在糖尿病で通院されている方、薬や注射を打っている方、または持病のある方は食事法を実施する前に必ず医師のアドバイスを受けて下さい
【食事を変えるだけで】母を糖尿病から救った話
私は現在、京都は東山三条にあるパーソナルトレーニングジム Y’S TRUSTを運営しています。
Y’S TRUSTは主にダイエットに特化したトレーニングジムです。
これまで400人以上のお客様のダイエットを支え、成功へ導いてきました。
その中で糖尿病寸前と医師に診断され、これ以上血糖値が高くなると糖尿病になるというタイミングで当ジムへ入会いただき、食事の改善とトレーニングでダイエットに成功し、医師も驚くほど血糖値や血圧が改善され、薬の処方、通院すらしなくてよくなったというお客様を何人も支えてきました。
私自身、パーソナルトレーナーとしてこれほど嬉しいことはなく、自分の知識や技術が人の役に立つ喜び、そしてお客様に感謝される喜びがあり、自分の仕事にやりがいを感じていました。
そんなある日、母から一通のメールが届きます。
医師から【糖尿病まであと一歩と言われた】
衝撃を受けました。
まさか自分の家族が糖尿病になりそうだなんて。
そして何より、お客様ばかりに目を向け、身近な家族に目が届いていなかった自分に苛立ちを覚えました。
確かに母は肥満体系で、甘いおやつを食べることが多く、決して健康的とはいえない食生活でした。
当時の母・・・年齢63歳 身長157cm 体重77.6kg
健康に関わるトレーナーとして、そのような食生活が長く続くとどうなるかわかっていたにも関わらず、私は何もアドバイスせず見て見ぬふりをしていました。
その結果、母は糖尿病まであと一歩というところまできていました。
もっと早くに食事に関してアドバイスしていればここまでの悪化は防げたかもしれない。
そんな罪悪感がありましたが、逆に言えば今改善すれば間に合うかもしれない。
そして私は決心しました。
自分を産み、育ててくれた母を糖尿病から救いたい
その気持ちを母に打ち明け、母を糖尿病から救うために食生活の見直しがスタートしました。
最初は何十年も続けてきた食生活を変えるのに抵抗を感じていましたが、今回ばかりはさすがに危機を感じたのか、素直に受け入れてくれました。
食生活の見直し
結果から言うと、母は3ヶ月で体重が約12kg落ちました。
下記が体重の変動データです。
【体重変動データ】77.6kg→66kg(6月16日~9月16日)




体重の他に血糖値、血圧ともに正常値まで下がり、医師から検討されていた薬の処方もなくなり、現在は通院もしていません。

(※このメールは食事の見直しをスタートしてから約3週間後の検診を終えたときに送られてきました。この時点ではまだ血圧も血糖値もやや高めですが現在は体重と共にさらに下がっています。)
たった3ヶ月で数値が改善したことに担当医が驚き、そしてとても喜んでいただけたそうです。
糖尿病まであと一歩というところまで食生活が乱れ、肥満体だった母を救ったのはある食事方法のおかげです。
それは低炭水化物食です。
母を救った低炭水化物食
低炭水化物食とは、主食となる米、麺類、パンの摂取量を制限する食事法のことです。
主食以外にも例えば芋類、根菜類、一部の調味料、お酒も一部制限します。
代わりに肉、魚、卵、豆類などを主食として、野菜や海藻類を積極的に食事に取り入れる食事法です。
低炭水化物食は「低糖質」や「ロカボ」とも呼ばれていて、糖尿病の人以外にもダイエットをしたい人に人気の食事法です。
なぜ低炭水化物食を選んだのか?
人は炭水化物(糖質)を多く含む食事を食べると血糖値が上昇します。
血糖値・・・(炭水化物に含まれる糖が体の中で吸収されて、ブドウ糖(グルコース)になり、血液中に入ってエネルギーになります。その血液中のグルコースの濃度が血糖値です。)
血糖値が上昇し、高いままの状態が続くと糖が血液の中で溢れ、高血糖状態となります。高血糖状態が続くと細胞から有害な活性酸素が発生し、血管の動脈硬化を進行させます。その結果、血管が切れたり、詰まりやすくなり、危険な状態になります。そしてその状態が長く続くと最悪の場合、合併症を引き起こす可能性もあります。
糖尿病の主な合併症・・・(動脈硬化、感染症、高血圧、脂質異常症、骨粗鬆症、歯周病など)
ただ、体には最悪な状態を防ぐために上昇した血糖値を一定の範囲に定める働きがある「インスリン」というホルモンが膵臓から分泌されます。インスリンが分泌されると上昇した血糖値は徐々に下がっていき、正常値に戻ります。
しかし、食べ過ぎ、飲み過ぎや運動不足、ストレスなどが原因で膵臓の働きが弱まったり、インスリンの働きを阻害する物質が体内にたまることによってインスリンがうまく分泌しなくなり、血糖値を下げれなくなります。
この状態が糖尿病です。
低炭水化物食に食事を切り替えることで、食後の血糖値の上昇を緩やかにし、同時に高血糖状態になることを防ぐ効果があるのでこの食事法を取り入れました。
低炭水化物食を詳しく解説
ここからは母が実施した低炭水化物食を詳しく解説していきます。
先述したとおり、低炭水化物食では炭水化物を多く含む主食や芋類、根菜類、一部の調味料、一部のお酒などを制限する食事法です。
特に甘みを感じるものを控えます。
代表的な食材で炭水化物を多く含む食材、炭水化物が少ない食材をまとめたのが下記の表です。
炭水化物が多い食材、少ない食材

この表以外にもまだ多くありますが、代表的な食材ではご覧のとおりです。
そしてこの表の食材を使った炭水化物が多い食事が下記の表です↓

低炭水化物食では上記の表にある食材、料理を制限し、代わりに炭水化物の少ない食材を使った食事を選びます。
続いて炭水化物が少ない食材は下記の表です↓

■これまで主食であった白米、麺類、パンを制限する代わりに炭水化物の少ない肉、魚、豆類、卵などを主食にします。
■野菜も炭水化物の多い芋類や根菜類、色のついた野菜(ニンジン、カボチャ、トマト、赤・黄色パプリカ)などを制限し、緑色の野菜やキノコ類を選びます。
■調味料もみりん、砂糖、お酒を使ったタレやソースを制限し、醤油やポン酢、オイル(オリーブオイル、ごま油、えごま油、MTC)、マヨネーズなどを選びます。(※サラダ油も控えます)
■お酒はビール、チューハイ、カクテル、シャンパン、日本酒を制限し、焼酎やウイスキー、ワインやノンアルコールビールを選びます。(※焼酎やウイスキーも飲み過ぎには注意です)
※こちらの記事ではさらに詳しく炭水化物が多い食品、少ない食品を一覧で紹介しています↓
食事の組み立て方
ここからは食事の組み立て方についてです。
低炭水化物食では、
・タンパク質・・・肉、魚、豆類など
・脂質・・・牛肉、豚肉、青魚、オイル(オリーブ、ごま、えごま、MTC)など
・不溶性食物繊維・・・緑色の野菜、キノコ類など
・水溶性食物繊維・・・海藻類、オクラ、モロヘイヤ、なめこ、アボカド、納豆など
上記の栄養を毎日の食事に取り入れます。

タンパク質、脂質、不溶性食物繊維、水溶性食物繊維は低炭水化物食を行うにあたってとても重要な栄養になります。
特に低カロリー食と低炭水化物食がごちゃまぜにならないようにご注意下さい。
各栄養の重要性
なぜ上記の栄養が低炭水化物食で重要なのか?
ここで簡単に解説します。
下記栄養は毎食取り入れるように食事を組み立てましょう。

タンパク質
・肉
・魚
・豆類
・卵など
タンパク質は筋肉の維持、増量、回復に必要な栄養です。低炭水化物食に切り替えると以前に比べて摂取カロリーが減るので筋肉も落ちやすくなります。それを防ぐためにタンパク質は毎食摂取しましょう。
【摂取目安量】体重1kgあたり0.8g

脂質
・牛肉、豚肉、ラムなど
・青魚(サバ、サンマ、アジなど)
・オイル(オリーブ、ごま、えごま、MTC)
・アボカド、ナッツ
脂質は炭水化物の代わりに体のエネルギーになるので、不足するとエネルギー不足となり、逆効果になります。低カロリー食と低炭水化物がごちゃまぜになって脂質も炭水化物も制限するとエネルギー不足になり体調不良になる可能性があります。低炭水化物食では脂質は重要なエネルギー源になるので意識して摂取しましょう。
【摂取目安量】1日の摂取カロリーの20%~25%

不溶性食物繊維
・緑色の野菜
・キノコ類
・その他
不溶性食物繊維は便通を整えるのに必要な栄養です。また、先にサラダやキノコ類を食べると満腹感を得やすいので食べ過ぎを防止できます。特にキノコ類は栄養豊富で、野菜もレタスやキャベツばかりにならず、ブロッコリーやほうれん草、小松菜、ピーマンなど栄養の高い野菜を取り入れましょう。
【摂取目安量】両手一杯の量

水溶性食物繊維
・海藻類(めかぶ、もずく、わかめ)
・オクラ、モロヘイヤ、なめこ
・アボカド、納豆
水溶性食物繊維は小腸での栄養の吸収を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑える効果がありますので、先に水溶性食物繊維を含む料理を食べると効果的です。また、血中のコレステロール値や血圧を下げる効果もあり、糖尿病に悩む方は毎食取り入れたい栄養です。
【摂取目安量】不溶性食物繊維2に対して水溶性食物繊維1が目安
低炭水化物食をさらに知りたい方へ
低炭水化物食をさらに知りたい方は下記の記事で紹介しています。
こちらでは実際の食事や、その食事でダイエットが成功し健康数値が改善したY’S TRUSTのお客様を紹介しています。
これから低炭水化物食を始めようとしている方にとても参考になる記事ですので、ぜひご覧ください。
低炭水化物食の注意点
ここでは低炭水化物食を行う上での注意点をお伝えします。
下記項目をご覧頂き、安全、効果的に低炭水化物を実施してください。
実施前に必ず医師に相談する
現在糖尿病で通院されている方や持病がある方は安全に低炭水化物食を行うために必ず医師にご相談下さい。
もし京都にお住いの方や、Y’S TRUSTに入会を希望の方には下記の医院をおすすめします。
院長先生が食事やトレーニングに知識があり、Y’S TRUSTの提携医院です。

低カロリー食とごちゃまぜにしない
上記の項目でも解説しましたが、低カロリー食と低炭水化物食がごちゃまぜになり、脂質と炭水化物を同時に制限しないように注意してください。低炭水化物食では炭水化物のみを制限します。
低カロリー食では炭水化物が、低炭水化物食では脂質が主なエネルギー源になります。脂質も炭水化物も制限するとエネルギー不足で効果が出にくくなります。
適度な運動も大切
食事の見直し以外にも適度な運動を取り入れると数値の改善に効果的です。
私の母も週3回は自宅でスクワットを行っていました。スクワット以外にもウォーキングやジョギングなどの有酸素運動でも良いですし、スクワットのように筋トレを行うのもいいですね。とにかく以前より運動量を増やしましょう。
あくまで正常値に戻すための食事法
低炭水化物食はあくまで糖尿病の予防、各数値を正常に戻すための一時的な食事法なので、一生続ける必要はありません。
私の母は現在も血糖値や血圧、体重などの数値に注意しながら生活していますが、今は食事に炭水化物を取り入れてます。
ただ、炭水化物といっても血糖値の上昇が緩やかになる低GIの食材を選んで食事に取り入れています。
低GI・・・GIとは、炭水化物を含む食品を食べたときの血糖値の上がりやすさを表した指数。
代表的な低GI食品は玄米、蕎麦、ライ麦パンなどがあります。
白米の代わりに玄米、ラーメンやパスタの代わりに蕎麦、菓子パンの代わりにライ麦パンを選んでいただくといいですね。
また、もちろん食事の見直しを行う前の食生活に戻ると数値や体形も元に戻ります。
低炭水化物食はずっと続ける必要はないですが、食生活の乱れは今後も注意しましょう。
家族の支えが大切

ここまで母を糖尿病から救ってくれた食事法、低炭水化物食について解説してきました。
母が糖尿病まであと一歩と医師から診断され、それを聞いた時は本当にショックでした。しかし、すぐに食事の見直しを行い、そのおかげで血糖値や血圧が正常値になり、体重も落としたことによって母が健康を取り戻せたことは本当に良かったです。
そして健康を取り戻した母から、こんな言葉を言われました。
【一人では頑張れなかった】
母は息子の私からみても飽き性で同じことをずっと繰り返すことが苦手な人です。
しかし、「そんな自分でも食生活の改善、低炭水化物食を続けられたのは私のサポートがあったから」と言ってくれました。
食生活の改善は一人で続けられる方もいますが、どうしても続けられず元の食生活に戻ってしまう方もいます。食生活の乱れは一種の依存症ともいわれていて、アメリカや、最近では日本でも炭水化物依存症という言葉が聞かれるようになってきました。
もしこの記事を読んで頂いてる方で、大切な家族が糖尿病になる可能性があるなら、どうか家族全員で食生活の改善をサポートしてあげてください。
一人では難しくても、家族のサポートがあれば頑張れます。
私の母がそうでした。
そしてご自身が糖尿病になりそうな方は、どうか今すぐ食生活を見直してください。
低炭水化物食ができないと思う方は違う食事方法でもかまいません。とにかくすぐ食事の見直しを行い、いつまでも健康的な毎日を過ごしてください。
おわりに
最後まで記事を読んで頂き、ありがとうございました。
私が何歳になっても母は母であり、いつまでも健康に長生きして欲しいと願う大切な家族です。
そして今、Y’S TRUSTでダイエットや健康数値の改善をサポートしているお客様も誰かにとっては大切な家族です。
家族と向き合うようにと言えば大げさかもしれませんが、同じ気持ちでこれからもお客様のダイエットや健康数値の改善をサポートしていきたいと思います。
この記事が糖尿病で、食事生活を改善したいと思っている方の力になれば幸いです。
また、他にもダイエットや健康数値の改善に役立つ記事を書いていますのでぜひご覧頂ければと思います。
最後までありがとうございました。
Y’S TRUST
住谷
